
東京23区 不動産購入ガイド2026
東京23区 不動産購入ガイド2026
価格相場・エリア選び・購入時の注意点を、東京23区の最新データをもとにわかりやすく整理した実践ガイドです。
1. 2026年の東京23区はどんな市場か
「高いけれど、見方を間違えなければ十分戦える市場」というのが、いまの実態です。
2026年の東京23区で住まいを買うとき、多くの人が最初に感じるのはやはり価格の高さです。新築マンションは多くの実需層にとってすでに手が届きにくい水準に達し、中古マンションもその影響を強く受けています。ただし、23区すべてが同じように上がっているわけではありません。都心、城南・城西、城北・城東では価格水準も伸び方も異なり、どこで、どんな条件の物件を選ぶかで満足度は大きく変わります。2026年の購入では、「23区で買えるか」ではなく「自分の予算で、どのエリアの、どの条件なら納得できるか」に発想を切り替えることが大切です。[Source]
2. 新築と中古の相場感
まずは全体相場を把握し、「見かけの相場」と「実際の成約価格」の差を知ることが出発点です。
2025年の東京23区の新築分譲マンション平均価格は1億3,613万円、㎡単価は210.9万円、発売戸数は8,064戸でした。供給は限られているのに価格は高く、一般的な一次取得者にとって新築のハードルはかなり上がっています。新築の取得が難しくなれば、その需要は自然に中古市場へ流れやすくなり、中古価格の上昇圧力も強まります。[Source]
実際に、東京23区の中古マンション70㎡換算の年間平均価格は1億393万円で、前年比34.6%上昇でした。一方で、東京都区部の中古マンション成約平均価格は7,401万円です。ここが重要なポイントで、ポータルサイトに並ぶ売り出し価格だけを見ると「東京23区はすべて1億円前後」と感じやすいのですが、実際の成約データではまだ7,000万円台の取引も多く存在します。購入判断では、見かけの相場だけでなく、実際にいくらで成約しているのかまで確認することが必要です。[Source] [Source]
| 項目 | 数値 | ポイント |
|---|---|---|
| 東京23区 新築平均価格 | 1億3,613万円 | 新築は実需層にとってかなり高額。中古への需要シフトを促す水準。 |
| 東京23区 新築㎡単価 | 210.9万円/㎡ | 都心部中心に高単価化が進行。広さを取りづらい状況。 |
| 東京23区 中古70㎡平均価格 | 1億393万円 | 新築高騰の受け皿となり、中古も高くなっている。 |
| 東京都区部 中古成約平均価格 | 7,401万円 | 売り出し価格より実勢を知るうえで重要な指標。 |
| 首都圏中古成約件数 | 49,114件 | 前年比31.9%増。価格は高いが市場自体は活発。 |
3. 23区内の価格差とエリア選び
「東京23区」とひと括りにせず、エリア階層で考えることが現実的な購入戦略につながります。
2025年下半期の中古マンション相場を見ると、都心は978.6万円/坪、城南・城西は681.4万円/坪、城北・城東は487.3万円/坪、東京23区全体で604.4万円/坪でした。さらに行政区で見ると、港区は1,292.9万円/坪まで上昇する一方、足立区は292.9万円/坪、葛飾区は281.7万円/坪で、同じ23区でも4倍以上の差があります。つまり、「23区に住みたい」という希望だけでは物件探しの精度が上がらず、どの価格帯のエリアで戦うのかを先に決めることが重要です。[Source]
都心6区
千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷など。価格は非常に高い一方で、資産性・流動性ともに強いエリアです。住み替えや売却まで見据えるなら魅力がありますが、広さとのトレードオフが大きくなります。
城南・城西
品川・目黒・世田谷・杉並など。住環境の評価が高く、ファミリー層からの支持も厚いエリアです。都心より一段下がるとはいえ、駅近・築浅の人気物件は依然として高額です。
城北・城東
足立・葛飾・江戸川・墨田・荒川など。23区内で比較的広さを確保しやすく、6,000万〜7,000万円台でも候補が探しやすいエリアがあります。再開発や交通利便性の改善で見直しも進んでいます。
エリア選びで失敗しないコツ
都心で50㎡台を取るのか、城東で65〜70㎡台を取るのか、あるいは城南・城西で駅距離を少し譲るのか。東京23区では、どの条件を優先し、どの条件を交換するかを明確にした人ほど、納得感の高い購入につながりやすくなります。
4. 予算別の現実的な買い方
いくらで何が狙えるのかを知ると、物件検索の精度が大きく上がります。
6,000万円前後
城北・城東エリアの駅徒歩10分前後、築15〜25年、60㎡前後の中古マンションが中心です。広さを確保しやすい一方、建物管理やハザード確認の重要度が高まります。
8,000万円前後
城南・城西の一部、準都心の築古リノベ物件、再開発の波及が期待できるエリアまで選択肢が広がります。駅距離・築年数・広さのどこで妥協するかが分かれ目になります。
1億円超
都心やブランド立地も視野に入りますが、価格だけでなく管理費、修繕積立金、固定資産税まで含めた保有コストを丁寧に見なければ、住み始めてから負担が重くなりやすいです。
2026年の東京23区で大事なのは、買えるかどうかではなく、5年後・10年後も無理なく持ち続けられるかです。広さや築年数を少し譲っても、駅距離と管理状態の良い物件を選んだほうが、将来の売却や住み替えで有利になりやすい傾向があります。逆に価格だけで選ぶと、後から修繕負担や出口の弱さに悩まされるケースもあります。[Source] [Source]
5. なぜ価格が下がりにくいのか
土地の値上がりと供給制約が、東京23区の価格を下支えしています。
2025年の東京都区部の地価は、23区全体で7.9%上昇し、4年連続で全23区がプラスでした。東京都は、テレワーク定着による広い住宅ニーズや、富裕層を中心とした旺盛な需要が、都心区およびその隣接区の利便性の高いエリアで広く地価を押し上げていると説明しています。[Source]
さらに中古市場でも、新規登録件数は減少し、成約物件の平均専有面積は62.66㎡、平均築年数は26.58年と、流通物件の“古め・小さめ化”が進んでいます。これは、条件の良い立地の物件ほど少なく、流通市場に出てくる物件の質が均一ではないことを示しています。良い立地・良い管理・適切な価格の物件は希少で、だからこそ簡単には値崩れしにくい構造なのです。[Source]
- 1地価が広範囲で上昇
都心だけでなく周辺区にも価格上昇が波及しています。 - 2新築が高すぎる
新築を見送った実需層が中古市場へ流れ、中古価格を支えています。 - 3良い物件が少ない
駅近・管理良好・再開発期待ありの物件は希少性が高いです。 - 4東京の居住需要が底堅い
交通・教育・就業機会の集積が強く、住宅需要が落ちにくい構造です。
6. 失敗しないための確認ポイント
2026年の購入で大切なのは、価格の比較だけで終わらせないことです。
建物で必ず見ること
- 新耐震基準かどうか、耐震補強履歴があるか
- 長期修繕計画が現実的か
- 修繕積立金が将来不足しない水準か
- 管理会社・管理組合の運営状況
- 給排水管や共用部更新の時期
見落としやすい注意点
- 見た目のリフォームだけで建物状態を判断しない
- 安い理由が管理不全や積立不足でないか確認する
- 湾岸・低地・河川沿いは水害リスクを必ず確認する
- 金利上昇局面でも無理のない返済か検証する
- 購入後の保有コストまで含めて総額で考える
東京23区で特に見落とせないのが災害リスクです。湾岸や河川沿い、低地エリアでは、駅距離やブランド性だけでなく、浸水リスクまで確認して初めて比較が完成します。購入前には、国土交通省の不動産情報ライブラリで取引価格、地価、公的な防災情報、都市計画、周辺施設を横断的に確認できますし、重ねるハザードマップでは住所ベースで災害リスクを調べることができます。物件価格の差のなかには、立地や将来性だけでなく、こうしたリスク評価も織り込まれていることが少なくありません。[Source] [Source]
7. 2026年の結論
「高いからやめる」でも「上がりそうだから急ぐ」でもなく、条件を整理して選ぶ人が強い市場です。
2026年の東京23区は、価格が高いこと自体は事実ですが、それだけで購入判断を止める市場でもありません。正解に近い買い方は、まず予算上限を決め、そのなかでエリアを絞り、次に駅距離・築年数・広さ・管理状態・ハザードの優先順位を決めることです。そして、掲載価格ではなく成約相場を見ながら焦らず比較すること。いまの東京23区では、広さや築年数を少し譲っても、立地と管理の良い物件を選んだ人のほうが、数年後に「買ってよかった」と感じやすいはずです。[Source] [Source] [Source]
実務的なまとめ
- まずは予算上限を決める
- 次にエリアの価格帯で候補を絞る
- 駅距離・管理・ハザードは後回しにしない
- 広告価格より成約相場を見る
- 「広さ」より立地と管理を優先したほうが後悔しにくい
8. 参考データ
本文作成にあたって参照した公式・一次情報
- 不動産経済研究所|2025年の首都圏新築分譲マンション市場動向
- 東京カンテイ|2025年 年間平均中古マンション価格(70㎡換算)
- 東京カンテイ|2025年下半期 東京23区主要エリア別中古マンション相場価格
- 東日本不動産流通機構(REINS)|2025年 首都圏不動産流通市場の動向
- 東京都公式|令和7年 地価公示価格(東京都分)の概要
- 国土交通省|不動産情報ライブラリ
- 国土地理院・国土交通省|重ねるハザードマップ
※本記事は、主に東京23区の居住用不動産購入を想定した実需向け解説です。実際の購入判断では、個別物件の管理状況、修繕履歴、住宅ローン条件、家族構成に応じた検討が必要です。
